メイプルワールドにおける測地学的測量の適用―古地図を手がかりに―

はじめに、仮定

さて、本サイトの目玉シリーズ。微妙で曖昧でセクティズムに満ち溢れた妄想コーナーです。

旧くからの「めいぽプレイヤ」はご存知のことと思います。
現在、「W」を押すことによって現れるワールドマップには「旧版」が存在することを。 
そして「旧版」には「経線・緯線、そして緯度・経度らしき数字」が記されていることを。

この情報については、ご存知の方が結構居られることと思います。

今回は、このちょっとした手がかりをもとに、「あらゆる無理を通して」以下の点を仮定&手段として
ビクトリアアイランドを地球スケールに対応させ町間の距離を測ってみたいと思います。

そして9691年後くらいに熱い議論が予測されるメイプルタクシー論やポータル考察の踏み台にしたいと考えます。

@マップ画像上の数字は「緯度」「経度」と仮定する。
Aそして「10〜60」まで確認できる数値の方をそれぞれ北緯(North latitude)、
     「120〜160」まで確認できる方をそれぞれ東経(East longitude)にそのまま措定(*1)する。
B地球とメイプルワールドは同規模の惑星、すなわち球状と仮定(*2)する。
Cその他、緯度・経度・赤道などの条件も現行の地球と同条件のものを適用(*3)する。
Dつまり地点間距離は、地球が楕円体(*4)であることを踏まえ、GRS80を採用し、今回は球面三角法ではなくヒュベニ式によって算出する。
E新ワールドマップにおいても緯線・経線らしきものがあるが具体的数値が無く、緯度が特に厳しいため、とりあえず今回は対象外に置く。

(*1、これにより日本もビクトリアアイランドに内包される形になります。イメージしやすいので今回は北緯・東経をそのまま採用)
(*2、本サイト掲載「妄想メイプル天文学話」で簡単に見たように、この仮定は実は成立しがたいですが、今回は無視です)
(*3、細かいところはメイプルワールドの情報が少なく不明なため、これもある程度無視)
(*4、地球は赤道半径>極半径、つまり楕円体です。扁平率とか関係します)

つまり地球の表面をバッと剥がして該当域にビクトリアアイランドマップをテクスチャとして上からペタっと貼り付けるという感じです。

さあ、無理を通したら、道理も慌ててひっこみましたね。
       

ビクトリアアイランド各地の緯度と経度


※普段、我々多くの日本人が見る地図は視覚上、北が上、南が下、東は右、西は左ですので
地図画像は仮定に併せて90°回転させています。 (画像:「メイプルの雫」様より一部加工)

確認しますと、ビクトリアアイランドは、おおよそ北緯10〜60°、東経120〜160°くらいにあるようです。
ここで先の仮定と上の画像データにより各町の緯度・経度がおおよそ判明します。

 町名  緯度・経度
 ペリオン       22°98'N 124°71'E
 カニング  12°31'N 136°67'E
 エリニア  49°16'N 139°15'E
 リス  11°11'N 157°91'E
 ヘネシス   30°80'N 159°51'E

ここまではグリッドと画像の位置情報を利用した単なる引き算と割り算。
興味のある方は他の地点もお探しアレ。

ちなみに参考までに日本各地の緯度・経度はこんな感じです。

北海道 札幌市 43°04'N 141°21'E  宮城県 仙台市 38°16'N 140°52'E
東京都 東京駅 35°40'N 139°46'E  大阪府 大阪市 34°41'N 135°30'E
広島県 広島市 34°23'N 132°27'E  福岡県 福岡市 33°35'N 130°24'E
沖縄県 那覇市 26°13'N 127°41'E

東京とか結構スリーピーウッドに近いです。
それに、次項で確認できますが、案外デカイです、ビクトリアアイランド。
 

距離一覧、広い世界

とりあえず、参考までに東京から大阪までの距離は408〜409km、東京〜札幌間で832〜833kmくらいです。
ちょい大きめのスケール例ですと、地球一周が4万kmくらい、
地球から月まで38万4400kmくらいです。遠いですね。フライミトゥーザムーン。

さあ、各地の距離をみていきましょう。(計算仮定略)

 基点〜対象点間  距離 (km)
 リス〜ヘネシス間  2235.186km
 リス〜カニング間  2335.548km
 リス〜エリニア間  4582.055km
 リス〜ペリオン間  3787.144km
 ペリオン〜カニング間   1761.245km
 ペリオン〜エリニア間  3099.398km
 ペリオン〜ヘネシス間  3514.553km
 ヘネシス〜エリニア間  2633.953km
 ヘネシス〜カニング間  3125.989km
 カニング〜エリニア間  4079.349km

結構離れてますね。リス〜エリニア、カニング〜エリニアは4000km以上。相当な遠さです。
カンボジアにある有名な世界遺産アンコールワットの位置が<13°41N,103°86E>。
計算によれば、だいたい東京からの距離が4285kmくらいですので、比較すると、これはやはり遠い感じです。

マラソンの走行距離はご存知のように42.195km。世界のトップランナーは2時間ちょいくらいでゴールしてます。
リス〜ヘネシス間はこれの53倍くらいですから、仮にトップランナーの全力スピードで走り続けて106時間くらいかかる計算になります。
新幹線が仮に時速200kmとしても10時間以上。腰や肩が痛くなってきますね。
船の移動時間がダルいといっている、そこの貴方。あの船速を舐めてはいけません。
塩ラーメン一杯分とたいして変わらない、あの帰還書の値段なども、それは破格です。

せっかくですのでタクシー料金の一覧表載せておきましょう。
(括弧内は基準値リス/ヘネシス= 1.00の場合の比)
 移動箇所   メル  直線距離  1メルあたり概算km 
 リス/ヘネシス   800  (1.00) -  2235.186km (1.00) -  2.79km (1.00) -
 リス/カニング   1000 (1.25)  2335.548km (1.05)   2.34km (0.84)
 リス/エリニア   1200 (1.50)  4582.055km (2.05) △  3.82km (1.34)
 リス/ペリオン   1200 (1.50)  3787.144km (1.69)   3.16km (1.13)
 ペリオン/カニング 800  (1.00)  1761.245km (0.79) ▼  2.20km (0.79)
 ペリオン/エリニア 1000 (1.25)  3099.398km (1.39)  3.10km (1.11)
 ペリオン/ヘネシス 1000 (1.25)  3514.553km (1.57)  3.51km (1.26)
 ヘネシス/エリニア 1000 (1.25)  2633.953km (1.18)  2.63km (0.94)
 ヘネシス/カニング 1000 (1.25)  3125.989km (1.40)  3.13km (1.12)
 カニング/エリニア 1200 (1.25)  4079.349km (1.82)  4.08km (1.46)

中々、各箇所で料金割合のひらきがあります。
直線距離で算出したからでしょう。
つまり、料金は直線距離ではなく、ある程度プレイヤがマップ上を歩行する場合の距離が反映されている感じです。
予想通りで残念です。
それにしてもペリオン⇔カニングは高い。まあ起伏も激しいし、仮にタクシがちゃんと「走っている」のならば
仕方がないのかもしれません。

まあ、それでも平均値が1メルあたり3.07km、中間値もそんな感じで3kmちょいの距離のようですね。
なんでこんなことをやっているかというと、ジパングの位置が知りたかったのです。
しかし、まあ、カニング⇔ジパングは1500メルですので、この直線距離データから
最小3300km、最大6120km、平均で4610km程度離れた位置にあると考えられないかなって。
ちょっと厳しい考えですね。
よほど走行が困難な箇所を通るか、記されてない海上にあるか、それともペリカンだけに空中にあるのか
今回は検討材料の外に置いた新マップが、仮に未明地域0として、武陵あたりにあるのか、
まあ、いずれにしても厳しい。

マップポータルに対する認識

さて、ビクトリアアイランドの距離をみてきましたが、こうなると船の速度どころかプレイヤやMOBの移動速度が半端ないことになります。
ちなちま歩いても10分どころか5分とかからずリスからヘネシスという2000kmオーバーの距離を踏破できることになるわけです。
「はい、もしもし。え?俺、今東京、お前は?え、北京かよwwwああ、そうだな、5分待ってて」
こんな感じです。

これはやばい速度です。物体の運動とか考えはじめたら、迂闊にMOBやら壁やら接触できない。
特にMOBなんかは同程度の速度で迫ってくるわけですし、やばいです。
ためしに2000kmを5分で移動するとして分速400km、秒速6.666…km。
衛星速度の第1宇宙速度が、たしか秒速7.9kmですし、軌道に出るロケットは秒速10kmくらい、
太陽系脱出の第3宇宙速度で秒速16.7kmくらいですので
これにある意味、肉薄している。
フライミトゥーザムーン、がリアリティ。

体重60kgとして……、まあ、とにかく衝撃時かかる力で肉体が飛散します。
それ以前にGも結構偉いことになっている。
初心者講習所でゲームオーバーです。
たまに咳き込みながら、スッと動く長老スタンも、実速度はとんでもないことになります。
星々を駆け抜ける勢いです。

P.Stan ”That's one small step for a man, one giant leap for mankind."

もしくは、巨大生物、メイプルワールドは巨人の国という可能性。
これらは現実的に考えがたい。
もともと地球スケールになぞらえている時点で、何が「現実的」なんだと思われる方も多くおられるでしょうが、
そこはネタとして苦笑でもされながら、どうかご寛恕いただきたい。

これを少しでも現実的なものに引き戻すために、与えられた条件を再認識します。


ワールドマップを見るとマップはこんな風に点と点が道(線部分)でつながれています。 
そして実際、我々がこの線部分も含めて歩いて移動している場合、上でみてきたように非現実的な速度を担保しなければならなくなります。


つまり<連続するMAP_A-B間におけるポータルによる移動距離が0に近い場合>です。
それに対して<連続するMAP_A-B間におけるポータルによる移動距離≒ワールドマップ上における道部分の距離の場合>
これまでみてきた問題が、ある程度解消できることになります。

つまり、マップポータルはまさに超長距離間ワープシステムである、という認識です。
どうでしょうか、みなさんは上画像の左/右パターンのどちらのイメージでこれまでゲームをされていたでしょうか。
実は私は、あまり考えてこなかった。
漫然とポータルをくぐって歩いたつもりになっていたもので、ついこんな文章を書いているのです。

しかし見栄えもそんな感じですし、現に町の中にはワープが存在するため、技術(というか魔術なのか)はある。
後者の認識の方が正しいのかもしれません。
ただ、これにも問題が無いわけではないです。
何せこのポータル、民家や店にも置いてあるくらいの代物ですから、それほど貴重なものとは考えにくいのにもかかわらず
その性能(道部分という相当はなれた距離を瞬時に移動)に反して、出し惜しみされている感が強すぎです。
裏を返せば、店の前に置く意味が分からない。
マップ用とはモノが違うのか、または店自体が超々遠方にあるのか、そんな妄想をせざるを得ない。

そして何より道なりに置かれている理由が分からない。
ポータルによる移動可能距離に限りがあるのだとしても、町間は最短ルート、
つまりもう少し、直線上にこれを配置した方が効率が良いのは明らかです。
これは、まだ<連続するMAP_A-B間におけるポータルによる移動距離が0に近い場合>の可能性も棄てきれない。
結局どちらなのだろうか……。

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ああ、今回の妄想も限界になってきました。In Other Words.
そろそろお決まりの、必殺の一文を添えて、この脆い砂城を崩しましょう。

メイプルワールドは、そもそも既存のあらゆる概念が適用されない独立の空間的世界(箱庭世界モデル)。

ちなみに地球も楕円ですが、地球の軌道も楕円です。
惑星として生き残るだけあって、両方とも中々きれいな楕円。しかし、真円ではなく、つまりは微妙で曖昧です。
フライミトゥーザムーン。


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