非暴の境界条件
―LV1プレイヤーはどこまで行くことが出来るのか?―

(※本記事は気分的にCSSの拘束を解いている仕様です。)



7、カニング、永劫回帰に間隙を見る(後編)


さて、実はカニングからスリーピー域の土を踏むことは可能である。

 

湿沼帯がオーバーキラーの巣窟であっても、彼らをやり過ごせるツタや平面マップがそれを可能にするからだ。
しかし、その先、スリーピーの中央ダンジョンじめじめした森は飛び越え不可能であるタコ&D・アックススタンプだらけである。



この先は、もう少し経験を積んでから進むべきと、ここは判断した。
まずはカニング地方を回ってからだ。


〜再びカニングシティーへ〜



そう、地下鉄 である。
アクセスが良く、現在もソロ・PT狩りかかわらず人気があり、息の長い歴史ある「狩り場」として有名である地下鉄である。
場所取り合戦が起こるほど混雑も無く、ときに相当なテダレのプレイヤ(LV云々ではなくプレイ技術)にも遭える。

 

思えば、よく歩いてきた。



思えば、忍耐強くなった。
以前ならば、小言の一つや二つウンイ氏に投げかけていた所だ。


さあ、レイスに遭いに行こう。







……オーライ。

やるな、バブルリング(LV15/物理攻撃力80)。

実はこのバブルリング、これまでのモンスターの中でまったく異質の特徴をもつ存在である。

確かにオーバーキラーではあるが、動きもスルラとかわらず、いったい何があるのだ?とお考えの読者諸氏もおられるだろう。

無理もない。

その特徴とは、この特殊プレイで設定した条件下にのみ現出するのだから。
そして、バブルリングの愛(被ダメ)の量に、境界条件があるのだから。

そう、このバブルリング、何と被ダメが49〜52を推移するのである。

改めて繰り返すまでもないが、この冒険ではHP50以上のダメージを与えてくるモンスターはオーバーキラーとして区別してきた。
しかし、このようにバブルリングは、49のダメージを与えてくる場合のみオーバーキラーではなくなる のである。

 49ダメージ  50ダメージ   51ダメージ   52ダメージ 
 58回  103回  64回   33回 

一応、ダメージの分布をおおまかに知るために軽く接触を試みた。

ちょうど墓を200個築いた時点で計測を止めた結果は、上に示したとおりである。
回数がまだ少ないため、正確な結果とは言えないが、おおよそ29%、まあ3割くらいの確率でバブルリングはオーバーキラーにならない。
すなわち、前回紹介したスキル・リカバリー(赤)(赤い薬を手動投薬)が完全ならば、
低確率ながら次マップへ到達できる可能性があるわけだ




もっとも「低確率」を数値化するためには、地下鉄1号線1区において平均して、どの程度バブルリングに接触するのかも計らねばならぬ。
まあ、賢明で生産的な諸氏はこういうデータはもってはいないだろう。

だが私のような非生産的で無能な人間は、こういったものを持っていたりするのである。

それは以前、当り屋を育てる過程で作成した
「鬼湧きマップ・ポータル間移動における接触回数の平均値」と題する噴飯もののデータのうちにある。

まだ「中の人」がモンスターに接触をする際、彼らに傷を与えていた頃の、旧世紀の遺物ならぬ異物だ。

今となっては、当り屋も消してしまったが、調査データ自体はHDの中にそのままだ。
移動速度未強化のものであるし、存外意味不明なデータが意味不明な機会に日の目を浴びるものだ。

「狩り1」「養豚場」「チョウチン」「カッパ」(何故かカタカナ)「やくざ1」「アリス1」「ドレ食」「もこもこのみ」……。
名称のみならず順番すらも法則性が無くバラバラで、いかにも私らしい。



フフフ、あった。「地下青スルラ」。これがバブルリングのことだ。
11、7、4、8、7、6、8、7、9、13、8、6、14、7、4、5、6、12、計18回か。

前半のデータに比べ回数が少ないのが気になるが
恐らく後半は飽きてCH(楓は18CH)を回ったのだろう。

平均=7.88888.....

まあ、ざっと8回程度当ると考えるわけだ。

となると、8連続で49ダメージである場合、つまり(3/10)^8で確率が求められるわけだ。
0.006561%。まあ失敗する確率が99.993439%であるようだ。

限りなく未来永劫まで、メイプルの運営がつづくならば、いつかは到達できる領域かもしれないということか。
だが、最小値の4回接触の場合、これならば少し現実味を……0.0081%か、帯びそうにないな、 これは。

というわけで、地下鉄は青スルラに阻まれて先には進めない のである。




さて、旅に戻ろうか。

とりあえず、ビクトリアアイランドに円を描かなければならない。


・カニング〜リス分かれ道



ニオン森3。実は結構湧きが良いマップであり、緑キノコ・青キノコなどオーバーキラーも出現し、この冒険では意外な難所である。
特に青で囲った部分では青キノコが鬼のように墓を求めて飛び上がってくる。
ちなみに本冒険とは無縁ではあるが、青キノコが狩れる程度のレベルの者1名と、
それより低めのレベルの者2〜3名程度のPTでグル狩りを行うことができる。
(が、通りすがりのソロ狩り利用者以外は殆ど見た事が無い)

森-中間3



奥まったところにあるマップ。
坂が良い。
モンスターの多様さが良い。

この森-中間3は、非暴力の冒険以外の無慈悲な育成を行うときに、人の多いヘネシスの狩り場1を嫌い、良く通う。
こういうマップで学ぶにつれ、高所をとることにより得られる優位性、逆にとられた場合の対処の仕方など感覚的に身につくように思える。
私のように素養の無い人間は、平面マップばかり利用していたのでは一向に上手くならないのである。



さて、そうこう、主客が不明瞭な記述をしているうちに辿り着いたのだ。
見渡すと、さきほどの地下鉄や湿沼や夕焼け空が嘘か幻のようである。
やはりカニングの主題は良く分からない。






なつかしき、リスの潮風。
円は描けた。円は永遠の象徴だ。


だが、この冒険はまだ終わってはいない。


今、私にある幾許の選択肢。


  

世界は広い。
さあ、次はどこに向かおうか。



次回へ続く。

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