非暴の境界条件
―LV1プレイヤーはどこまで行くことが出来るのか?―

(※本記事は気分的にCSSの拘束を解いている仕様です。)



9、 死線の先、ジパング頂上作戦(1)


T、当世キノコ神社気質

 

キノコ神社は常世の春。

正月ごろに莫大な賽銭収入を得ることで有名な「木野子のこ」氏。

苗字は「木野子」なのだろうか。
私のPCでは「きのこ」→「木野子」で変換できるため、おそらくそうなのだろう。
たしか「きのこ」は「木の子」という語源があった気がする。


さて、ジパング。
多くの読者諸氏にとっては、とても馴染み深いと思われるジパング。
改めて確認をするまでもなく、カラスの家のポータルマップからはじまって、提灯・河童・姫狩りのいわゆる「平面鬼湧き」マップ、
駐車場、武器庫という高レベル向け安置可能・ハイエンド・グル狩りマップといったメジャ狩場を多く抱えるジパング。
ほぼすべてのマップが「狩場」として現在も機能している。
つまり非暴力の冒険にとっては非常に厄介であるということだ。


強化書がホイホイ出ることで有名な通称ジパガシャをもつジパング。
他サーバーの事情は知らないが、
少なくともわが愛すべき楓サーバーでは「今日のジパガシャ何CHが良いか」といった類のオタケビを聞かない日は無い。

この土地もヘネシス同様、自然と人が多く集まる。
ただ、ヘネシスと比較して、いわゆる過疎CHにまでパラパラと「静止した」人影が見られる傾向にある気がする。

とは書き並べたものの、中には私のようにジパングに寄り付かない方もおられるだろう。
しかし、塩ラーメン。300メルでHP500を回復できるアイテムとして有名な塩ラーメン。

そしてキノコラーメン(塩)を筆頭に売られる各種ラーメン。
これを買いにジパングまで足を運ばれる方はかなりおられると思われる。

まあ、もっともMAXHP50のキャラで綴る本冒険では、これさえも無縁であるが。

それにしても、この塩ラーメン、相当めいぽプレイヤーの胃を満たしていると思われる。

偉大なるネクソン先生の痛恨のミスなのか、はたまた赤字覚悟の出血大サービスなのか、
こんな雲上のことなど私は知らないが、
しかし、いずれにせよ、HP1=1メルという生命値/メルの等価交換が成り立つこの世界にあっては、
コストパフォーマンス抜群の、枠外の、回復アイテムとして君臨し続けている。

回復量500という設定も手ごろでニクイ。
おおよそHPの多い戦士などであっても3次職相当レベル前後程度までは十分に耐用たる数値だ。
この辺りまでのレベル層の厚さを鑑みるに、消費量が違う。

SDT(スーパードロップタイム)の10分くらい前から眺めていたら、
果たして、ものの数分で5、6人が立ち止まる始末。

ためしにそのうちの1人(LV41の槍をもった方)に「何か買ったのか」と問うてみたら、答えは「塩ラーメン300個」。
彼は決して卸売業者ではない。いちスピアマンなのだ。

ちなみに塩分摂取量について、我らが日本の厚生労働省は1日10g、世界のWHOは6gと差があることは有名な話だ。
やはり、塩の国・ジパングの民を舐めてはいけないということか。
なにせ、舐めたら……、やめておこう。

そう、なにせ、この塩ラーメンは庶民の味方だ。
「ジャンボたこ焼き」などという「おメルもち」や「高レベル」御用達のアイテム(嗜好品)とは訳が違うのだ。

そんな塩ラーメンの専売権を握るロボ氏
ラーメンを購入する際の唯一のネガティブ要素だ。

このロボ氏、ジパングのみならずワールド全体においても有数のセレブリティ であるということは、想像に難くない。
外見などは親しみやすく、巷間で見かけるラーメン屋の親父風に拵えてはいるが、私は騙されない。
この目……、この目だ。

高段から貧民を見下すような、この目。
キャラの目線にあわせてラーメンを突きつけてくるこの姿勢。

「あ、お客さん、今日も狩りっすかwwww大変っスねwwwww」
「え?景気はどうかって?いや〜まあ〜ボチボチですわwwwww」
といわんばかりだ。
ラーメンを買うたびに、この男に遭わねばならぬ。

どうせ、その腹巻には札束が詰まってるんだろう?
ああ、また一人立ち止まった……。

* * * * * * * * * * * * * * * 


しかしそうは言ってもロボ氏の心うちまではわからない。
ゆえに、文明の利器に頼り、一昔前に流行した「脳内メーカー 」で彼を測定してみた。

これが結果。

想像通りというか、想像以上だ。相当の遊び人とみえる。
気になるのは「悩」の文字。
だが、成功者の悩みというやつは、私のような勝ち負けの世界に身をおかない者には見当すら付かない。


ちなみに「茫洋」はこんな感じ。



中々、悲しいくらいに良くできている。
自キャラの名前に思い入れがある方や、気になるNPCなど居られる方はコッソリ一度試してみると面白いかもしれない。
もちろん出てきた結果に、私と脳内メーカーは一切責任を持たない。

さて、冒険をはじめようか。

(ジパング・キノコ神社側マップ)






U、提灯を目指して



全ワールド中「町域マップからMOBが存在するマップへ進むためのポータル」
という、ご都合主義の限定条件下では難易度筆頭クラスのポイント。

そして、ここで多くのプレイヤがジャンプ力強化について思索をするという。

ちなみに、目だった装備がなくアイゼンだけでやたらと上空まで飛べる戦士系プレイヤは大抵おメル持ちの場合が多いという。
それほど無理のない推測だ。

単純な火力、見た目(装備品・アバタ)、レベルに対するモンスターブックの登録数、人気度、狩りの作法、加盟ギルド……etc
我々は知らず知らずのうちに様々なプレイヤ情報を外部へ垂れ流している。
特に長く、諸々の職業を「経験」した者ならば、「露店に並べた品物」などからも様々なプレイヤ情報を推測することができる。


改めて目を凝らしてみると私のようなライトなプレイヤにも多様なプレイスタイルがあり、
読者諸氏のような歴戦のハードプレイヤにも、それぞれの個性が見える。これはタバコの銘柄によく似ている。
たまにニコチンの多さにクラっとくることもあるが、「選択肢」を、ふとした瞬間に垣間見ることができる事は楽しいものだ。

さて、とりあえず、アカズのマップ「提灯」(闇夜の松林) とやらの見物にこうか。

ルート@
キノコ神社(ジパング)→きのこの森→からすの家→からすの家2→闇夜の松林

きのこの森

  

多種のキノコMOBたちに出遭えるきのこの森。
オーバキラー・緑キノコにさえ気をつければ問題は無い。
ちなみに、このきのこの森にある隠しポータルからきのこの殿堂へ進むことができる。

ちょっと寄り道。



7〜8割程度の確率で進入ポータル口付近の
明らかな怪物・ルイネル(LV73/物理攻撃力280/被ダメ623〜664)により瞬殺されること請合いである。

さすがジパング……。全体のマップ構成とMOB構成のバランスなどには頓着しないらしい。

また、ここ「きのこの殿堂」は、その「殿堂」の名冠の由来でもあり
12時間湧きとか24時間湧きとか48時間湧きとか
噂される伝説のキノコ・パパシュが出現するポイントでもある。



もちろん、いつものごとく軽く円周率でも口ずさみながら、ここはパパシュを待ったわけであるが



出ない。
最長8時間放置でも出ない。
時間を見つけてログインのたびに確認しにいっても湧いていない。

LUK10程度では遭えないということか。


パパシュ接触はライフワークにしよう。



ところで、このポイント、
キャラ視点では、さぞかし富士の山が美しく見えているに違いない。



からすの家



さて、歩みを進めて、からすの家。

 

無数に飛び交うカラス(LV25/物理攻撃力90/被ダメ63〜66)。

・・・・・・、並の難易度ではなないな……からすの家(1)よ……。

・こちらを軽く上回るカラスの飛行速度、そして不意の急降下
・飛行高度によってはジャンプによる回避が不可

というカラスの特性に加え、

・「登る」タイプのマップ(移動に時間がかかる)
・はしごが安全圏にならない
・中央部の飛び石付近で涌くカラスが多いため、ほぼ確実に接触する

という悪夢のようなマップ特性が相俟って、
ある意味エリニアのメロディ以上の難易度だ。 何より湧き方が半端ではない。
画像右のようにしゃがんでみても、付け焼刃程度。

メイプルでは
飛行モンスターはマップ上の障害物をすべて無視して障害物上も移動可能
という驚くべきアンフェアな得能をもっているのである。

参考:対障害物移動可能範囲簡易ランキング――――――
(但しMOB移動プログラム上の範囲は考慮しない)

飛行MOB

〜超えられない壁〜

テレポート有プレイヤ(魔)

〜超えられない壁〜

移動強化(スキル含む)プレイヤor移動能力(高)MOB
通常未強化プレイヤ(含む「茫洋」)
移動能力(低)MOB


〜超えられない壁〜

NPC(含む「イエリッキー」)
――――――――――――――――――――――
100%進めないというわけではないが、これだけの飛行MOB相手では通行困難だ。
ここで命を落としてばかりはいられない。

道は一本というわけではない、たまにはスマートにいこうじゃないか。


ルートA
キノコ神社→野狐の森→からすの家2→闇夜の松林




野狐の森

 

あきらかに、からすの家(1)を進むよりもラク。
野狐(LV30/物理攻撃力100/被ダメ78〜82)はオーバキラー ではあるが
交差気味に飛び越えは可能。

加えて、地蔵の上側に一時エスケープできるため常に動き回ってかわす必要があるカラスマップと比べると
圧倒的に死亡確率は低い。

なお、小窓マップの赤円で囲んだ箇所においては
頭上から狐が強襲してくる場合があるので特に注意が必要。



からすの家2

   

からすの家(1)と構成上殆ど同一にもかかわらず、からすの家2の場合、
3ヶ所の最下段→中段→最上段へ繋がる地蔵ワープの存在により、突破はそれほど困難ではない。

しかし最上段、すなわち提灯(闇夜の松林)へのポータル付近(画像右)で間誤付き、往々、からすに接触する。
注意されたし。

また地蔵ワープ直後に、不意にカラスに接触する場合もある。運次第である。
これは予測不可能であるため、あらかじめキノコ神社にてお参りをしておくことが心情的に必須。

この「からすの家2」もいわずと知れた人気狩場のひとつだ。
カラスが「カー」と啼くたびに、命がひとつ消える。


闇夜の松林



おばけ提灯(LV40/物理攻撃力150/被ダメ180〜189)
夜狐(LV45/物理攻撃力132/被ダメ136〜145)


こうして「運」にも頼りつつ辿り着いた提灯、こと闇夜の松林。

人がいないことはまず無い、という超々人気マップ。
該当レベル帯のC-2をはじめとするマガティアマップ実装後も依然人気は衰えていないようだ。

ために、他プレイヤが自プレイヤの視覚外でMOB撃破→自プレイヤ眼前にMOB湧き

という地獄のサイクル を入り口ポータル付近で味わうことができるため
これ以上先には進むことができない。ゆえに河童にも姫にも遭うことがかなわない。
(ちなみに上画像はそのときのもの)

ちなみに提灯は飛び越え不可。
当然、単一平面で飛び越え不可のMOBが大量に湧いているという時点で、この先には進めないわけだ。
しかし、もしかしたら人気狩り場ゆえの、この地獄のサイクルを利した活路があるかもしれない。
まあ、あまりエレガントではないし、今回はやめておこう。

それにしても、松に「目」のようなものが無数にあるように見えるのだが、これは一体何なのだろう。



V、墓地への道

(再掲)


このルートA
野狐の森→からすの家2→からすの家→墓地への道
はルート@(きのこの森→からすの家→墓地への道)よりも「墓地への道」方面へ侵入を容易にする。

 からすの家(1)

ここも闇夜の松林への入り口同様、ノロノロしているとカラスに打ち落と(殺ろ)される。
飛行MOB存在マップは「短時間での突破」が必須だ。


墓場への道



「墓場への道」と冠されたマップながら、ほぼ、ここで墓場を築き上げることができるマップである。
入り口付近にしばし湧くゾンビキノコ。
所作は青キノコと大差なく交差飛び越え可能ではあるが、ご覧のとおり囲まれると回避不能。
かなりの確率で死ねる。(ゾンビキノコ(LV24/物理攻撃力95/被ダメ70〜74))




D・ゴーレム(LV58/物理攻撃力195/被ダメ305〜318)


D・ゴーレムは見てのとおり明らかに飛び越え不可。
進行ルートである下段にいた場合は、さっと飛び込み自殺を図るしかない。
進行方向にいない場合は、そっとしておこう。

しかし何といっても、というか、やはり、この「墓場への道」においても最大の強敵はカラス






何度も何度も墓を築くうちに、思わず、化けて出たくなる。
それにしても、この墓場への道〜のマップ群は既到中、もっとも墓の似合うマップかもしれない。
ただ視覚的にDゴレにゾンビキノコにカラスという、MOBの不統一性が景観を損ねているのが少し残念ではある。

ちなみにこの「墓場への道」、特に人気マップがひしめくジパング全マップ中、最過疎マップ であろう。



寂れた墓地



事実上、墓場への道方面では現在の最大到達域である「寂れた墓地」。
夜行(LV60/物理攻撃力172/被ダメ234〜247)が登場するマップである。
すうーっと滑るように飛んでくる夜行に加え、淡々と跳ねるように接近してくる夜狐に阻まれ、墓が落ちる。

加えてこの寂れた墓地まで到達するには
ALLオーバキラー&飛行MOBカラスが飛び交う4つの難マップを超える必要があり
到達自体が難関であったりする。

寂れた墓地というだけあって、無縁仏らしき石墓が散見される。
記念に、夜月に映える紫富士を望むことができる、ベストヴューポイントに墓を築いておこう。




W、ショーワへの道
(きのこの森→からすの家→動物の森→ショーワ方面へ)



「動物の森」を目指すにあたり「からすの家」の最下段を通行せねばならない。
特に桜にカラスが隠れて不意に接触する場合があるので、カラスの軌道には常に注意を払われてたし。


動物の森



動物の森も地蔵ポータルの存在により一挙に最上段まで辿り着ける。
ここも結構な人気狩り場だ。長居は無用。



注意すべきはショーワへのポータルがある段。
野狐、そして新出の火狸(LV30/物理攻撃力130/被ダメ135〜143)は
ともに交差気味ならば飛び越え可能であるが、この段のように移動可能範囲が狭い場合
複数存在するだけで回避成功への難度がグっと跳ね上がる。

なるべく一匹であることをキノコ神社で祈っておこう。

何かをやり忘れて、空間と時空を超え、舞台はショーワへ移る。


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