非暴の境界条件
―LV1プレイヤーはどこまで行くことが出来るのか?―

(※本記事は気分的にCSSの拘束を解いている仕様です。)



11、 宋山里を行く




「新規コースパック開拓の中心にいるということは、会社の利潤を追求することではなく
会社内における3年後の自分の地位を確保する事」
これは某大手旅行代理店に勤める知人の談。

スピネル所属の旅行会社にも激しい出世争いがあるのだろうか。

而して、世界はまた広がったようである。

「各地旅行先でも私が皆様の楽しい旅行のために頑張ります」
このセリフはマニュアルどおりのもの。

スピネルは干渉してこない。

旅先で必要以上に干渉してこないガイドは、私的に大好きだ。



  

多くの方が気付かれたであろう。
この宋山里のNPCは、よく「動く」。 
これまでももちろんNPCは動いてはいたが、明らかに絵の枚数が多く表情も連動している。
とりわけ、女性NPCのアクションには力が入っている。

なにより台湾・西門街のようなドット格差がないのが嬉しい。

 

こういう細かい意匠も好きだ。実はこれまで背景とNPCが連動していることは存外少なかった。



名前を突っ込みたくなる方もおられるが、まあここは我慢である。





宋山里域】
宋山里―山麓―物騒山道不穏山腹危険山道少林寺広場大雄宝殿

基本は一本道である。
物騒→不穏→危険と進むごとにMOBの強さが上昇し
宋山里」から「不穏山腹」へショートカットが存在する。
上図の井戸がそれである。
まあ、最初からこれを使っては面白くないから、通常ルート(ポータル)でいこう。 


山麓



早い。
宋山里〜広場まで高機動MOBたちが、ところ狭しと走り回っている。
対「茫洋」の、おおよそ1.5〜2.0倍の速度といったところか。
しかし「かわす」ことは容易である。

だが同一段上で囲まれた場合、「かわす」ことは叶っても
「かわした先」=「落下先」の安全性は確保が困難な状況が続く。
つまり、墓が降りる。

黒熊剣士(LV42/物理攻撃力150/被ダメ178〜186)
白虎剣士(LV48/物理攻撃力165/被ダメ216〜229)

もちろん両者はオーバーキラーである。そして当然以降のすべてのMOBもオーバーキラーである。



物騒山道



登るタイプのマップ。
MOBの移動速度が速いためこのように待機できるマップは
むしろ突破がたやすい。
「ドンドコドンドコ」という軽快なBGMに釣られないで慎重に進もう。

鷹格闘家(LV51/物理攻撃力172/被ダメ235〜248)


不穏山腹

 

意外に墓率が高いのが、入った瞬間である。
侵入した瞬間から鷹格闘家との戦いが始まっていることを肝に銘じる必要がある。
目の前のショートカットポータルが遠い……。



ちなみに「宋山里」の井戸ショートカットポータルからもここに来ることができる。
もっともご覧の通り、ここも侵入と同時に墓が落ちることが、多々ある。

男山賊(LV60/物理攻撃力220/被ダメ388〜409)
女山賊(LV70/物理攻撃力270/被ダメ582〜617)



危険山道



ここも登るタイプのマップであるが物騒山道よりは難易度が高い。
しかしペリオンに比べMOBが移動する範囲が広く早いがゆえ「待てば道は開ける」。


少林寺広場



宋山里地域中、最難関マップ
入り口の位置上、歩く⇒ジャンプ歩く⇒ジャンプを侵入の瞬間から行わねばならず
なおかつ途中でMOBがプレイヤの上空から突っ込んでくるという涙目ものの仕様となってる。
攻略の方法はおおむね以下の二通り。

A.侵入の瞬間にMOBが右方に寄っていると「予断」して速やかに梯子まで進む。
B.侵入の瞬間はMOBがポータル付近へ突っ込んでくると「予断」してあえてポータル左側で待機。MOBをやりすごす。

どちらも勘が前提となり、結果はいつも涙目である。



ここを突破した後は極力、瓦上を進むことになるが、この瓦も途中で強制的に落下する箇所がある。
速やかに瓦上まで戻る必要があるが、如何せん最下段は非常に致死率が高い。



最下段では女山賊と妖怪香炉(LV78/物理攻撃力330/被ダメ871〜921)が湧く。
ペリオンで経験した動的なワイルドボア&静的なスタンプと同じパターンであり、
女山賊をかわしているうちに、静止した香炉に足場を奪われる。
各所に台や積み箱などエスケープポイントがあるが、これも女山賊の高い機動力の前に易々と侵犯される。

ここで墓を落とした場合、宋山里の町場へ戻ることになる。




そうした「危険」を突破して、我々は少林寺の門を叩けるのである。


大雄宝殿

  

濃霧は高度の証、苦労の証である。


しかし、ここにきて、
久しぶりに、めいぽが横スクロールであることが心と脳につっかえた。

伽藍の配置である。

何度か脳内で構成したが、これの正確なところが分からない。



奥に進むと「塔広場」という石塔のならぶ、ループ型のマップがある。
このマップは性質上、「大雄宝殿」マップの周りを囲うような形になっている可能性、
もしくは伽藍配置のひとつ「中庭」である可能性があると考えられるわけだが

それにつけても、肝心の内側、伽藍の配置までは、構成できない。

赤金武術家(LV78/物理攻撃力330/被ダメ871〜921)
黄金武術家(LV91/物理攻撃力400/被ダメ1278〜1355)


 


分かったのは、変わった僧侶が多いということだ。
かたや火の入った香炉に手を突っ込み、かたやイエリッキー型の面構えで肌の色を変えにかかる。
特に後者は悪質で、「内面と外面が〜」などと道徳的な講釈をタレながら客引きを行う。

 

門内より奥に蔵経閣がある。

経蔵といえば経典や典籍、または宝物を収蔵する場所である。
背景にも典籍や巻物が見られる。
特に書籍の方は綴じ方、題箋の位置といい中々の再現度である。 

ちなみに経蔵は伽藍配置上、よく奥まった箇所にある。
しかし、なんたることか、現在、少林寺の文化はMOBの手のうちにあるようだ。



気をつけながらご参観とか……どうも変わった僧侶が多いようである。
いやいや、ここは少林寺。生半可な参観は期待してはいけないということか。

小坊主こと赤金武術家は飛び越え可能。
問題は、飛び越え不可の赤金棒使い(LV85/物理攻撃力370/被ダメ1103〜1161)である。
この存在のため、1・2階より上の階へは進むことができない。
少林寺の文化遺産は取り戻せそうに無い。



原風景で心を癒そう。
眺めは世界遺産にも登録がなされている中国安徽省の黄山を彷彿とさせる。
山は悠久の風雨を経験して、鋭角になり、果たして角を取られていく。

中国は広い。アジアはもっと広い。

「各地旅行先でも私が皆様の楽しい旅行のために頑張ります」
このマニュアル通りのセリフとともに再び新たな旅行先を楽しめること、持して待つ。



次回へ続く  

トップへ

inserted by FC2 system