ネタ職・特殊育成の概略

ネタ職・特殊育成とは?

ネタ職とは通常の育成に飽きてしまった者が辿りつく終着点の一つである。

しかしその終着点は新たなる冒険の地平でもある。
この地平に立ったら最後、通常育成の意義を見失い、ネタ性という猛毒に体と心は侵食され、貯めたメルと貴重な時間が吹っ飛ぶ危険もある。ある者は視覚的要素にこだわり、ある者は自己をキャラに託す。これまで歴戦の兵(ツワモノ)らが様々なネタ職・特殊育成に挑戦してきた。以下、既存のネタ職・特殊育成の概略を記す。

初心者(エターナルVer)

いつまでも職に就かずモラトリアムを謳歌するかに見えて実は厳しい道。それが初心者である。
通称(敬称)ニートともいう。
なお初心者自体は公式の職であるため「ネタ職」のカテゴリに含めないと考える人もいるが、初心者を「ネタ職」に含める場合、人口は最も多いと考えられ、そのため育成指南サイトも多い。
初心者の攻撃手段は「通常攻撃」にほぼ限定され、ステータス振りは戦士系と類似。(が戦士と異なりプログレスがないためダメージが一定しない、そのためDEXへ振り値に個々人の嗜好が表れる)。
育成はアンニュイ(倦怠)であり、タクシー料金が初心者料金であるなどの利点もあるものの、それほど優位性は感じられない。
唯一の救いは初心者専用武器が破格の攻撃力を誇るという点である。しかしこの初心者専用武器は「神器」であるため入手自体が難しく、また超高価である。ちなみに最強の「出藍のモップ」は攻撃力220というまさに「神器」たる威力を誇るが値段も数百mと破格&振れ幅大の相場で推移している。
ちなみに「初心者島」には高レベルの初心者が数名棲みついている模様(敬称・初心者島ヒッキーニート)。彼らはメイプルの<はじまり>に居ながら、その<おわり>を見つめる貴重な存在といえよう。

殴り魔

本来魔法使いが主戦とする魔法の根源たるINTへのステータス振りを控え、極力STRを高めることにより獲得される物理攻撃力をもとに、敵を殴る職であり育成法。
回復を行いながら敵を殴るクレリック、氷結魔法で足をとめつつ殴る氷雷、毒で弱らせたところを殴り殺す火毒、の三者三様が楽しめることもあり、人口は(※初心者除外の場合)ネタ職中最大を誇る。
また、テレポートという移動スキルや、各種魔法が習得可能なため、戦闘の有用性のみならず視覚的にも「ネタ性」が担保されておりネタ職の中でも戦闘中の華麗さは群を抜く。加えてマジックガード(一定時間の間、受けるダメージの一定数値をMPでかわる ) の恩恵で耐久力も思ったほど低くない。
ただし、魔法使いの装備にはLUKが必要なこと&「殴り」のための命中を得るためにDEX振りも必要であるため、繊細で計画的なステータス振りが要求される。このステータス振り如何で育成タイプが異なるため、個々人で最終的な理想像を描く必要性があるといえる。普通に且つ長期的に育成を楽しむならば、殲滅力が後々最高(毒による)になる火毒がおススメ。

殴り弓(or殴り弩)

弓師なのに、矢を殆ど射ることなく敵を殴るネタ職。
育成・ステータス振りは戦士のそれに近いが、ある意味、戦士以上にDEXへ振る値に配慮が必要である。殴り魔よりもアンニュイ度が高く視覚性が乏しいため、さらに人口は少なく、遭遇することすら稀といえる。また殴り魔に比してHPは高いものの、しばらくはマジックガード(一定時間の間、受けるダメージの一定数値をMPでかわる )のような有効防御スキルが皆無といってもいいため実際の防御性能は殴り魔以下であり、初期育成の難易度は高めである。しかしスキルは中々興味深いものが揃っている。主戦スキルはパワーノックバック(MAXで200%の6体同時攻撃)。また弓師本来の広範囲攻撃スキルで敵の目をこちらに向けさせる、いわゆるターゲット取りが可能であり集敵力はときに戦士を凌駕する。この殴り弓、実はスラスト(移動速度増加)パペット(身代わり召還)、ゴールデンイーグル(召還)など正規育成時にはあまり重要視されないスキルが補助的ではあるが戦略的には非常に効果的に働いたりする。また、筆者はもちろん4次職まで育ててはいないが、かの有名なシャープアイズ(グループメンバーに敵の弱点を教え、致命傷を与える能力を付与する)やボウマスターの影縫いの矢(敵の足元に矢を放ち、一定の確率で短時間敵の移動速度を落とす)を習得したら、恐らく狩りにおける戦略性に磨きがかかり、加えてクリティカルによる高い殲滅性を得られるに違いない。(このほか所謂「死にスキル」も殴り弓の場合は起死回生の、ときにステータス振りの代替効果すらある良スキルに化ける)。夢のあるネタ職である。

当り屋

又は「PG戦士」と呼ばれる。
ソードマン・ページが習得する「パワーガード」(略称PG、スキルMAXで接触ダメージの40%を敵に返す)を主戦にひたすら敵に「当り」続けるツワモノの事。ために高いHPが要求される。
純正の当り屋はステータスをHPに集中的に振り続ける必要性があるため、PG習得後までは実質的には2ID育成、もしくは知り合いに経験値を吸わせてもらいレベルを上げなければならず(他にチャリクエ、兵法書、等の方法もある)完成までの道のりは険しいといえる。
PG習得後はショーワの「親分」など接触ダメージの高い&高経験値の敵に対し「当り」(単独特攻)を敢行することが可能になり、ソロ育成が可能になる。(が、効率はそこまで良いとはいえない)。ネタ性は極めて強いがあまりの強さのためチートと間違えられることもあるとか。この育成はある意味、終わりが見えているのに終わらないという、そんな印象というか感慨をもって筆者は親分に3勝後キャラをデリート(ちなみに回復アイテムをケチって8敗、あのケタケタ笑いにはしばし神経を逆撫でられた)。

○○極振り型

その職にあって必要性の低いステータスにあえてAPを振る特殊育成・ネタ育成。
当然戦闘能力は極めて低い場合が多い。特に難易度が高いもはHPorMP極振り、魔法使い以外のINT極振り等、基本的に攻撃力に絡まない値に振るタイプである。この型も自キャラだけでは、まずコンスタントに経験値は得られないため、経験値吸いやETCによる経験値取得が必要となる。育成の難易度(一般人的な感覚としてのアンニュイさは)は最高ランクといえる。視覚的に即座に独自性が出る場合も乏しくモチベーションという点においても容易な覚悟では望めない。(以前挑戦したLUK極振り戦士は涙が出るほどマゾかった、彼は決して幸運ではなく不幸と思いきや、かつて明石家さんま師匠が仰っていたように「生きてるだけで丸儲け」を体現していた )。

○○縛り型

如何に強力な武器やスキルが手に入ったとしても敢えてその使用を自らで禁じる育成・プレイ。(このタイプはプレイヤーにより千差万別であり、特定の条件・目標を設定した上で達成をはかる目標達成タイプ、マイナではあるが狩場縛り型等もある)。
特定の装備品やスキル、そこから派生するキャラの視覚的様相に愛着をもった者がこれを実践する場合がある。自己イメージをキャラに投影し、時に物語性を持たせるためキャラに愛着がわきやすい。難易度は「縛り」具合により、また特殊育成という範囲に入るか微妙でもあるが、マゾに縛ればある意味最強難易度。だが、縛りを行う地点に到達した者たちが難易度云々という概念自体にとらわれている場合はむしろ少ないと考えられる。個人の嗜好が最も表れる特殊育成型。ゆえにネタ職・特殊育成初心者から玄人まで、この懐の深さにより楽しめる。

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さて一通り、メジャなネタ職・特殊育成をみてきた。改めて確認するまでもないがネタ職・特殊育成はアンニュイなものが多い。実際やってみるとわかるがネタ職の道程とは、蓋し諸君がトラディッショナルに思い描くオンライン的発想に基づく情念が、いつしかオフラインの、それも極めて内的な位相に到達する一過程であることが実感できる、極めてフィロソフィカルなものとなりうる可能性を秘めている。だが最強至上主義・王道主義のベクトルとは別の方向にある煌き放つ存在に諸君が気づいたとき、これまで天蓋を覆っていた暗澹たる桎梏は雲散し、ノベルティな輝きが眼前に表出するだろう。だまされたと思って一つ挑戦してみるといい。踏み込めない者は、挑戦せずともその可能性を思索するといい。そこにネタとPCと時間とメイプルがある限り。



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