非暴の境界条件
―LV1プレイヤーはどこまで行くことが出来るのか?―

(※本記事は気分的にCSSの拘束を解いている仕様です。)



7、カニング、永劫回帰に間隙を見る(前編)


これまでリス→ヘネシス→エリニア→ペリオンとビクトリアアイランドを周回してきた。
このカニングをもって、ビクトリアアイランドに円が完成する。


 


カニングをカニングたらしめるものは、その夕日に照らされた近代的でスラム的な街域中心の風景と、そこに内包される無機質な地下鉄域、
そして一歩、下水溝口をくぐれば、がらりと風景は未開な湿沼に変わるという多様性の重なりによって感じられる非日常性である。

上述のように構成的には
・工事現場に挟まれ地下鉄を内包する街域
・スリーピーへと通じる湿沼地帯
・リス域分かれ道に広がる緑地地帯

の3域におおよそ分けることができる。

これは、ビクトリアアイランド中でも異質な様相を持つ街域から、出現モンスター・風景がそれぞれが溶け込むように
リスorスリーピー方面へ伸びている構成であり、
積極的に評価するならば多様な地域であるといえるが、消極的に評価するならば主題の所在が分からない地域であるといえる。
なお、ペリオンほどでは無いが、地下鉄域も合わせた場合、実質的にはかなりのマップがカニングのうちにある。

・工事現場/夕焼けの空



多種多様なモンスターが登場するが工事現場域であっても、ここでのみ出現するような特徴あるモンスターはいない。
このあたりも主題が不明である所以である。
マップはそこそこ「広い」のだが「広く感じる」ことは少ない。



ちなみに初出であるのは工事現場/夕焼けの空で現れる通称タコことオクトパス(LV12/物理攻撃力82)
被ダメ(愛)は51〜54で、実は良く見なくても、足が6本しかない。タコなのに。
マップ上を滑るように移動し、オーバーキラーの中ではかなり厄介な存在である。
飛び越えはほぼ不可であり、スタンプ系のオーバーキラーが高速で動き回るような印象だ。
唯一の救いはカニング地方におけるオクトパスはマップ間移動の妨げになる位置に出現しないということ。

実は、というか殆どの方はご存知と思うが、のちのちスリーピーでも出現することになる、このタコ。
マップ上に現れた場合の脅威という点でも圧倒的にスリーピー、じめじめ度合いとのマッチングでも明らかにスリーピーと
カニングに出現する理由があまり見当たらない。ああ、何故ここにいるのだ、カニングのタコよ。



・カニング

さて、カニングを散策しようか。

  

なんという民度の低さ……。殺伐としていて、暴力的である。
どうも私の趣味に合わない。
それに、ネーラさん、さっきから、2、3歩動いてるだけで、とても忙しそうにはみえないのだが……。



「ちくじょ〜」って……。ここは好意的に「一戸建ての新築天守閣を築城するのに必要なお金をなくした」と意訳しておこう。

            

職業師匠格ですら、このマップとの不釣合いさ……、やはりカニングは不明確性と壮大な誤謬の上に成り立っている。
そもそも、いち職業にあって、何故、盗賊≠忍者という遠い存在同士がユニライズされているのか、いまだもって良く分からない。
もしも私のように神経が脆い人間が「盗賊」になったならば、果たしてアインデンティティは喪失し中途で別の道を歩みたくなるだろう。
何より、転職をするために便器を潜らねばならぬとは……、難易度が高すぎる。



求人票がやたらと多いことも頷ける。

さて、気を取り直して、下水口から沼地へ出よう。



ちなみに、沼地へは、もっとも澄んだ水が流れる口 から進入できる。
便器を通った手前、ちょうど良い。
真ん中の穴とか、鉄格子が半開きの穴とか表現するより、澄んだ水を強調しておこう。

なお、1CHあたりでは「蟹喰え、蟹喰え」と美味しそうな話題で持ちきりなのであろうが、ここは過疎CHを選択しよう。


・湿沼地帯(さまよい沼〜危険なクロコ)



同じカニングでありながら、一歩でまるで別世界。
そして一歩で墓。

ジュニアネッキ(LV21/物理攻撃力100/被ダメ78〜82)。

オーバーキラーの中では最小クラスの体でありながら明らかな難敵。
足が速く、突然ぴたりと止まったかと思うと、狙ったように動き出す。
単体であるならば飛び越えることは十分可能であるが、複数が微妙な間隔で待機している場合、かなりの脅威だ。
無害な表情とは裏腹に、静動を使い分ける鮮緑の小さな悪魔といえる。

また、この湿沼域ではポータルをくぐった瞬間ジュニアネッキに接触する場合が多々ある。
そして何より、この地帯では、背の高い植物たちが視界を遮るのである。



これが、ジュニアネッキの強さに拍車をかけるのである。
植物とモンスターの効果的な連携という点で、ジュニアネッキと本湿沼地帯の植物以上のタッグを、私は寡聞にして知らない。



危険なクロコ2から進めるルーパン沼でもその脅威は変わらない。
「避けよう」と望みながら、「避けられない」モンスターである。
この点、ほかのオーバーキラーにはあまり無い感覚、つまり墓を築くたびにストレスが溜まるという感覚がある。



もっとも沼3の上段ともなれば、ルーパン地獄であり、確実にゾンビルーパンのようにワッカをかぶる様相ではあるが。



さて、この領域では新種のオーバーキラー、ワニこと
アリゲイター(LV32/物理攻撃力110/被ダメ95〜100)
クロコ(LV52/物理攻撃力172/被ダメ234〜248)

が出現する。

彼らは上段でノソノソ歩いているだけならば問題は無いが、道程後半、危険なクロコ では下段を這っている場合もある。

   

このワニ系モンスターは飛び越え不可能である。
安にスリーピーへの道を踏む冒険者たちへ、感覚的に「この先はやばい」と思わせる仕掛けである。

危険なクロコ1で下段にワニが湧いている場合、



上段のツタを利用して進んだ方が安全である。
なお余りに上の方からジャンプしようとすると、飛ぶことができないので注意。



そして、危険なクロコ1ではエリアボス・ダイル(LV65/物理攻撃力190)が出現する。
このダイルはカニングから近いこともあり、中々人気のあるエリアボスである。
それでも「接触する」という目的においては他のエリアボスと比べ、ラクな方であり、前回のスタンピの足元にも及ばない。

まあ、のんびりと、詩でも口ずさみながら、ダイルが出現するのを待とうではないか。



お、美味そうなにおい、鯛焼きだ……どれ、一つ。






ここまではお約束。
しかし、ジュニアネッキに呆れ顔をされるとは、不覚。
被ダメは284〜306まで視認。

ここでもエリアボス登場コメントが素っ気無い。
我がままをいえば、もう少し気の利いた登場コメントを流して欲しい。

ちなみに、



強化されたダイルでは、被ダメ346、351を確認。

さすがに愛情過多だ。


後編へ続く。

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