非暴の境界条件
―LV1プレイヤーはどこまで行くことが出来るのか?―

(※本記事は気分的にCSSの拘束を解いている仕様です。)



9、 死線の先、ジパング頂上作戦(3)


Y、潜入!楓城



本来ならば駕籠に、それも家紋入りのものなどに、乗れる身分ではないが、
イナセな彼らの好意のもと、楓城へ。いざ!



おっと、潜入前に一句を忘れずに。櫓の白壁、淡桜に透き通る逆さ富士。いとおかし。



楓城、虎口付近にいる悲哀あふれるサスケ氏。
何というか、中々深いセリフを延々と吐き続けている。
潜入前に一情も忘れずに。

さあ、潜入だ。


楓城・城門内



遠めからみれば美しい白壁と鮮やかな桜。しかし城内は荒れ放題だ。
上方からの縄張が分からないため城郭のタイプは定かではないが
既踏中、最大クラスの建築物に変わりは無い。

それにしても杏姫、下忍と荒れた城壁とを眺めながら茶の湯とは……わびさび、風雅である。

いつかこの風雅な「傘つき椅子」が椅子アイテムとして導入されるのではないか?
と思っているのは私だけではないだろう。

ちなみに唯一店購入できるウッドチェア(青)(リス購入)は要求レベル6であるため、当然座ることができない。
ゆえに「茫洋」が椅子に座るためには、街中にある、それを利用するか、もしくは高額で要求レベルが無いものを
フリマなどで購入するしかない。けれど、高いのだ、椅子は。
アバタを買わない反動なのか、個人的には椅子アイテムが結構好きであるので、これはモドカシイ。



つまり、本冒険は案外、立ち仕事なのである。




下忍(LV25/物理攻撃力95)。
被ダメは70〜74。以降の敵もすべてオーバキラーだ。



この楓城城門内に来るたびに
電信柱とかにむらがる小バエの大群を思い出すのは私だけだろうか。なんというか軌道が似ている。

それにしても、なんて鋭い目つきなのだろう。
実力で上下関係がはっきりしている忍びの世界にあって彼らは最下級。
つねに虎視眈々と上を狙っているということか。



特に建物内へ侵入口直前に危険箇所が集中しているので、注意されたし。
下忍といえど愛情過多のオーバーキラー。ミスは文字通り命取りに。

その前に「非暴力にとっての楓城」に馴染みの無い、殆どの読者諸氏のために
楓城について以下簡単に記す。


非暴力の楓城・百間廊下基礎知識

 

ご存知のように、
楓城「百間廊下」マップはメイプルでは珍しくループ内蔵型のマップであり
次マップへ関連付けられている特定ポータルをくぐることにより、先へ進むことができる。

「百間」(1間は約1.8182メートルであるが、この「百間」とは「非常に長い」の意)と冠されるだけあり
長く複雑な、まさに迷宮と呼ぶにふさわしい連続マップである。

そして
・@〜C段の基本構造(以下便宜上、下の段から@段…と記す)
に加えて
・壁・柱などに突き刺さった矢・手裏剣の足場
・鉤縄(ロープ)

が足場・移動ルートとして随所に配置されているというものである。以上、固定要因。

出現MOBはジャンプ力が高く、矢・手裏剣の足場がMOBにとっての足場にもなるため
一つの段にとどまっているわけではなく
@⇔A⇔B→C段を自由に行き来きすることができる。
ただしC段目にあがった忍者が下降してくることは無い。

(ちなみに四つの段が、これほど縦方向に圧縮された形で続くマップはワールド広しといえど、ここだけなのかもしれない)

MOBは次の特徴を持つ。

・すべてオーバキラー。つまり接触=最初からやり直し。ジャンプ力が高い。
・(忍頭除き)飛び越え可能。(ただし交差気味に=MOBがこちら側に走ってきたときに、MOBに突っ込むように走り、飛び越えること)
・カケッコになると大抵、こちらは負ける(墓降下)。


対し、こちら茫洋は当然ジャンプ力未強化のため、上方に段移動を行うためには
弓矢・手裏剣などの足場orロープを利用する必要があり、これを利用できない場所では段移動が出来ない。
下降に関しては@〜B段に限り、定期的に設けられている柱部分(@〜Bを貫く形で設置)から降りることができる。
また掛け軸などが設置されている横柱が無い部分では
A、Bの段が存在しないため強制的に@へ落下するかCへ登る道を模索するか、を選ばざるを得ない。


つまり常に推移するMOB配置に注意を払いならが、
もっともMOB数が少ないルートを見極める必要があり

さらに言えば、@〜B段かC段か、どちらを基本ルートにとるか選択する臨機応変に対応する必要がある。

(※この記事を書いたのち下ジャンプが実装されました。これにより下方向に対しては自由度が大幅に上昇しました)

そこに一本の足場となる矢・手裏剣が突き刺さっているかどうか、
進行@〜C段に複数の敵がいるかどうか、
(MOBの動きが機敏な百間廊下の場合、目前に3体以上のMOBがいると死亡確率が俄然高まる)
などという些細なマップ内の固定or流動要因は

生きるか、死ぬか、スリリングでエキサイティングな冒険を我々に齎してくれる。

連続マップ群という点、適度な難度を加味すると
ある意味これ以上に、非暴力プレイが「はえる」場所は無いかもしれない。
是非一度挑戦して欲しい。

さあ、百間廊下を進もう。


百間廊下(1)
(以下、括弧内の数字は便宜上のもの。ゲーム内では「百間廊下」との表記のみ)




スタート地点の真上、瓦の割れ目が次マップへの道。
下忍が接近してくる前に素早く手裏剣・矢を足場に駆け上がろう。
ここでまごついてはいられない。
特筆事項は無し。


百間廊下(2)



足軽(LV30/物理攻撃力125/被ダメ125〜130)
非暴力の楓城通行ルートで唯一、非忍者・足軽。

とにかく足が遅い。足軽なのに。
周りの忍者が快足で迫ってくるだけに体感差はかなりのものだ。
自分から当たりに行くか、複数で囲まれない限り、まず接触は無い。依然脅威は下忍である。

しかし足軽(歩兵)+忍者(隠密兵)との連携を基本防衛思想に置いている編成はとても奇抜で素敵である。



さて、このマップは左端C段目からスタートする。赤円付近では下忍が駆け寄ってくる場合が多い。
一人ならば飛び越えは十分可能であるが複数とカケッコになると分が悪い。
よく追いつかれて死ぬ。

ゆえに、なるべく早めにMOBがほぼいない傾向にあるB段目に降りることがポイント。
ちなみにスタート地点と下忍が重なる場合が、かなりある。
涙を呑もう。


百間廊下(3)

   

スタート地点(C段目)の青円で囲った付近で
中忍(LV50/物理攻撃力162/被ダメ207〜222)が湧いている場合、ジャンプで飛び超えB段目へ。
百間廊下全般に言えることだがB段目が最も安全度が高い

なお、右側から中央部へ進む構成ではあるが、MOBの配置次第では
BorC段目を利用して一旦左側から安全なルートを採っても良い。

中忍は髷の分だけ背高に見えるが、他の忍者と同じく交差気味に飛び越え可能である。

ちなみに、このマップ、中忍という
このレベル帯(2次後半〜3次初期)では数少ない雷属性も弱点である敵が多く湧くため、
たまにマニアックな狩り人がいる。

ゆえに、通行途中、極たまにビリビリ感電しそうになる(心情的に)。


百間廊下(4)

  

  

難関マップ。
左端のスタート地点から右端までのポータルと移動距離が大きい。

C段目のMOB数が極端に少ない(2、3程度)の場合は、スタート地点から即座にC段目に登り
駆け抜けることもできるが、くの一(LV60/物理攻撃力200/被ダメ317〜336)
「目前で急に止まる」という動きにより墓を降下せざるを得ない場面に多く出くわすだろう。



(くの一は足が速い分、飛び越えはラクである)


もっとも汎用的なルートは、できる限りB段目で待機しつつ



@〜A段目のMOBをやり過ごしながら先に進む上図であろう。
このマップは、多くのMOBに囲まれやすい@段目の滞留時間を如何に短くするか、が鍵となる。



百間廊下(5) 

    

百間廊下(4)ほどではないが、このマップも中々の難度である。

やたらとジャンプ力がある上忍(LV80/物理攻撃力370/被ダメ1119〜1202)。
B段目からC段目にいるこちら目掛けて跳ね上がってくる。

中忍・くの一なども、この性質があるが、
上忍のそれは頻度が特に高く、常に意識しておかねばならないレベルの脅威である。
(なお楓城全般を通じて間隔の狭い@→A段目も同様に注意が必要である)。



百間廊下(6)



いきなり、くの一が抱きついてくる場合があるので注意されたし。
(もっとも、こればかりは注意して防げるものではないが)
やたらと唐突で、そして愛が重いのが、くの一の悪い所だ。

 
@段目の中忍が不意に飛び上がるのは、改めて注意するまでもない。
なるべく上下に重ならない位置取りを心がけたるべし。



意外な難所がこの次ポータルへの場所。
中忍とくの一が「通せんぼ」している場合がやたらと多い。
彼ら彼女らの見せる一瞬の隙を見逃さないようにして、通り道ができたら即座にジャンプ+上。


百間廊下(7)→百間廊下(8)

 →

ここから壁の色が金色に変わる。
それと同時にMOBの数がグっと減る。
その分、敵は強力な精鋭に絞られ上忍だらけになる。
もっとも数は少ないとはいえ、ルート選択をミスると上忍にいつの間にか接近され、接触し、死亡、となる。

そして
忍頭(LV100/物理攻撃力580/被ダメ2677〜2826)
が待ち構えている。
親分よりも高レベルながら、被ダメは親分以下。
しかしながら、四桁代の被ダメ、何よりその圧巻の威容。


百間廊下(9)
  

つづく百間廊下(9)においても忍頭が登場する。
改めて言おう。

レベル1であっても十分、忍頭に遭える。
しかし台に乗っても身長で負けるとは。まあ、髪の毛を逆立てて身長を稼いでいるわけだし、やむを得ないか。

ところで、忍頭モンスターカードには
>忍たちのリーダー。
とある。やたらとリーダーが多い気がする。
せっかくのボス級MOBなのだから、せめてマップあたり1体程度の出現率にして欲しいところではある。

また、
>昔起こった争いで生死をさ迷ったことがあるためか
「死に最も近い男」と称されているが、本当に生きているのかは定かではない。

ともある。

ん?”死に最も近い男”だって?

これに関しては、こちらも、ひけ劣る気は毛頭無い。
その称号は、死線を潜り抜けてきたつもりである私の、もっとも欲しているところのものだ。



たわけた事を云う。まだお手前にはわからぬか。お手前が命を拾えたのもわしが忍者であったからじゃ。
ただのさむらいなら、とうにお手前の命はどこぞの野に落ちていよう。

(司馬遼太郎『梟の城』より)

死線の先はまだ見えない。




百間廊下内室(忍耐マップ)



これほど大掛かりなカラクリの動力は何なのだろうか。

忍頭よりもある意味怖い忍耐マップ。
あらかじめ言っておくと、現在黄色で示した部分が私の現在最大到達域である。


  

もっとも、その直前の上画像位置でほぼ、失敗する。
失敗は即、墓降下、 すなわち、楓城入り口までの愛すべき帰還である。

これだけMOBをかわし続けてきたのだから、少しは操作能力が向上しているのでは
と突破を期待交じりで挑戦していたわけではあったが、まあ私の現在のウデでは無理である。

やはり一回失敗しただけで、この長い楓城を最初からやり直す、という愛すべき仕様が
目に見えぬプレッシャになっているのだろうか、
それともプロローグで適当に設定した「先端恐怖症」というキャラ設定が災いしているのか、
どちらにしろ、忍耐は忍耐力以外の「何か」も試されるのであろう。



この先にいるとされる殿様、こと藤倉様
「足軽」のくだりで、さらりと触れたが、通常アウトソーシングである「忍者」は士分系列の身分序列には入らない。
ゆえに、楓城身分序列において
足軽よりワンランク身分が高い人間は、即座にこの藤倉様、ということなのかもしれない。
メイプルの足軽間に身分差は無いと考えられるため、「殿様―足軽」という、極めて分かりやすい構造である。
まあ、殿様に遭えないから、適当に述べただけだ。


今回紹介したルートはあくまで一例にすぎない。
そもそもMOBの湧き次第では、楓城内部への侵入すらかなわない場合もある。
しかし総じて、楓城は楽しい。
これは非常に重要なことだ。

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以上、ジパングを周ってきた。

しかしながら、あな口惜しきや、楓城忍耐。
操作技術に長けた読者諸氏ならば、さらに先の世界を拝むことができるだろう。
世界はまだ広い。

しかし記事としての本冒険は佳境を迎えつつある。


次回へ続く  


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