非暴の境界条件
―LV1プレイヤーはどこまで行くことが出来るのか?―

(※本記事は気分的にCSSの拘束を解いている仕様です。)



10、 ぺドラー・オブ・フロリナ



メイプル・ヒゲランキングがあったならば、かなり上位に食い込むことが予想される、ペイソン氏。
スピネルツアーとは別にメイプルワールド屈指の遊行地フロリナへの旅先案内人である。

なんでも、はるか彼方、地球防衛軍本部の兵士も、ここでのバカンスを夢みるとか。
気持ちは分かる。忙しいときの人間ほど、快活に飛び回る自分の姿を夢想することを逞しくする。

人間「ケ」ばかりだと堪らない。「ハレ」も必要だ。

2000メルと少し値は張るが、これは行かざるを得ない。


フロリナ―――――――――――――――――――――――――――――

リス港→ビーチ→海の家→ロランロラン(A)→ロラン&クラン(B)→熱砂地帯

(A、Bに各隠れ道 A:ロランロランロラン、B:クラン&ロラン)

――――――――――――――――――――――――――――――――




ビーチ



閑散としていて、CHによっては、まるでプライベートビーチである。
BGMが、またなんともいえず戦意をそぎ落とす。

「○エル」姉妹。
ヘアカラーに目がいきがちであるが、実はよくみるとロエル氏だけ髪飾りの色が違う。

彼女たちは熱線といっていいほどの直射日光を浴びながら「私たちカワイイでしょう?」と詰問し踊り続けるという
ある意味、忍耐の限界に挑戦しつづけるハイスペックNPCたちである。

ラエル、リエル、ロエルと来たのだから、おそらくルエル、レエルも存在する可能性が高い。
おそらく次のパッチでその全貌が明らかになるであろう
(クエスト「いなくなった五つ子の名前」当社比実現可能性0.0008%)。

ちなみにラエル氏のみ、ヤシの下、つまり日陰の徳を得ている。
このセコサ、気が合いそうだ。

なお、時間があるならば「バァレン」と一度声に出して発音してみるといい。
多分、うまく発音できない。

さて、最奥まで行くとしよう。



海の家→ロランロラン

  

サルの脅威がリアルに感じられるマップ。
特に「海の家」はかなり広いマップであり、サルの猛追により出鼻をくじかれる場合もあるが、
しかしフロリナのMOBは飛び越え可能であり、ロープという逃げ場もあるため、突破はそれほど困難ではない。

ただしロランロラン最下段中央付近の大型貝殻は歩きにくいため、ここで運悪くカニに囲まれることがある。
一応注意されたし。


ロランロランロラン(隠れ道)



もうカニだらけである。(ロラン/LV37/物理攻撃力125/被ダメ123〜130)
それにしてもロランの3乗とは、凄いセンスのマップネーミングである。

おそらくフロリナで最も致死率が高いマップであるが、幸いにして隠れ道。
最奥到達には影響無い。
何よりロランは愛くるしい。


ロラン&クラン



うっそうとココヤシが茂る。
ここで初出のクランはロランと甲殻の色が違う他、瞳のせいで愛くるしさが減少している。
(クラン(標記クラング)/LV48/物理攻撃力160/被ダメ202〜226)

何だか恍惚とした表情で、少し不気味である。

この「ロラン&クラン」もロープの存在により、難なくカニをやり過ごすことが可能である。


熱砂地帯



フロリナはご覧の通り、最奥まで到達可能である。
フロリナはとても温(ぬる)い。

カメの足は遅い。(アムティ/LV46/物理攻撃力125/被ダメ123〜130)
よほど囲まれるか、自分から当たりに行かない限り、接触はまず無い。



まあ、たしかに「カメ」にしては速いのかもしれないが
如何せん同マップに存在するカニの足が速すぎるせいで
全くこの本の記述のような印象は受けない。
まあ他人の本だ。

 

甚だ怪しいところである。

しかしサルにカニにカメ。
何というかサルカニ合戦やら浦島太郎やら寓話の、民俗学的世界を彷彿とさせる。

それとは別に「熱砂」というネーミングからアムティがウミガメの一種であることを彷彿とさせる。
ご存知のようにウミガメは砂の熱によって孵化し、その温度によって雄性か雌性か異なる。
まあ、これはだな、温度的に。
なんかギラギラしてるし、バチバチしているし、間違いないだろう。




実を言うと、はじめて出遭ったとき、気がつかなかった。
これこそ、フロリナのエリアボス



キンクラン(LV55/物理攻撃力165/被ダメ214〜236)。

頑として動かない。領分を侵さない限り、やはりMOBはおとなしいものだ。
いや、しかしどう見ても節足動物、甲殻類だろ……。
分類学なんて高校生物くらいの素養しかないが、カニは甲殻だろ。

せめてロラン・クランがカニ(短尾下目)でない可能性、
少なくともキンクランがヤドカリ(ヤドカリ下目)という可能性について考察するところだろ……ここは。

まあ、おそらく、○ランは、ロラン→クラン→キンクランという進化を辿ってきたと考えられる。

それに伴い、ロラン→クランと甲殻の色が黒色になっているところをみると、
太陽光(赤外線)を吸収しやすくなっている退化ならぬ対価も背負っているわけだ。
そこで、借りたんだな、白みがかった「ヤド(宿)」を。

もっとも逆の可能性もあるわけだ、つまりキンクラン→クラン→ロランと進化してきた場合の。
外敵(プレイヤ)がフロリナに殆どいない所を見ると、皮肉ではあるがフロリナのMOBは強靭である必要は無い。
こちらが案外正しいのかもしれない。
まあ、私は完全に分類学について門外漢であるしよく分からない。

下に掲げたサイトは2008年に稼動をはじめた生物学の専門家たちが
日々一生懸命更新している大掛かりでファインでフリーなサイトです。
生物の百科事典みたいなものですが、画像や文献もちょろっと載っているのが私のような素人には楽しいです。

データはすべて査読した上でのことらしいです。何でも今後10年を目処に生物180万種の記事を完成させるとか。
1億1050万ドルの資金を投入する予定だけあってハンパないですね。
もちろんメイポと全然関係ありませんが。

エンサイクロピーディア・オブ・ライフ
http://www.eol.org/

英語標記であるのが難点かも知れませんがフランス語にも若干対応してますので、フランス人の貴方にもおススメ。
はあ……外国はいいよなぁ……、○○基金、○○財団寄付金設立とか。
うちのプロジェクトにも…もし宜しければ…モゴモゴッグフ…。





バカンスの裏側―レベル1プレイヤの経済事情―

さて「バカンス」に行くとおおよそ、散財するのは世の常である。
「贅沢」を楽しむことが目的なのだから、これは仕方がない。

実はフロリナの本題である。
はるか昔、本短連記事における初心者島編で、最低限必要なメル額についてお茶を濁したことがあった。
ここで解答のひとつを示そう。



結論である。
我々、レベル1プレイヤは初心者島以降&フロリナ滞在時以外、常に2000メル さえ所持しておれば良いのだ。
この2000メルというラインさえ守れば、メルを稼ぐチャンスはいくらでもあるのだから。




それが、ココナッツ1個145メル(店売の場合)。
医学を学んだ方ならご存知のことであろう。
点滴用生理食塩水にも実際代用されていたココナッツミルクのココナッツである。
まあ、まさに命の源であるわけだ。いまの私にとっても。

地球のココナッツは一本の木から一週間あたり1個ほど収穫できるらしいが
もちろん、ここフロリナのココヤシはそれほど柔ではない。



一個あたり145メルと非常に高価である。ココナッツは最高級ETCなのである。

たとえ、フロリナ着時に0メルであったとしても
ココナッツ14個=2030メル(-次回分フロリナ行き運賃2000メル=30メルの利潤)
このようにココナッツを14個さえ仕入れれば、自由に使える30メルを持ってリス港へ帰港できる。
ちょろいものだが、やはりココヤシを殴りつけるという行為が、やや暴力的であることは否めない。


しかしながら、このようにネタプレイは「ちょっとした気付き」で成立している。
こういった危ういバランスをフラフラしながら楽しむのも、またゲームの醍醐味の一つである。

ちなみに「クエスト・フロリナビーチの新名物」(遂行可能レベル35)では、必要ココナッツ数・総計65個である。
ゆえに(昨今では悲しいほど)僅かではあるが、商品として「需要」がある。

つまり、ココナッツは、この冒険始まって以来の、他プレイヤとの交換材料、
対等な契約関係を結べるものとなるのである。

>一、他に助けを乞うことはしない
>一、他を助けない

契約関係が成立している以上、最初に設定したルールにはおそらく抵触しないであろう、と信じておく。

ここは売却用に最低65個集めて、商機を伺い、1個あたり300〜500メルくらいで(良心的に)捌きたいところだ。
ある意味、寡占市場状態、意のままだ。

フリマで呼びかけてもよいが、
経験上、ビーチにやってくる該当レベル前後のプレイヤに呼びかけても良い。

案外、フリマで叫ぶよりも、こちらのほうが売れたりする。
何も恥ずかしがることはないのだが、フリマ入り口で数m単位の売買がされている中、
ココナッツを即売するのは、小心者の私にとって、ややキツイ作業なのだ。



(Bさん)「実際に、私はこれで上海、タイランド、それに台湾と、アジア旅行を楽しみました」
     「ええ、それはもう……、一旦お客さんが気に留めてくれさえすれば……ね」
     「なにぶん、大口のお客様ですので、1個とか2個とか、そんなケチケチしたもんじゃないんですよ」

     「まあ、まどろっこしいわけです。ココナッツっていうのは、叩いたからといって経験値が頂けるわけではないですから」
     「普通のETCとは、モチベーションが違うわけです」

     「そこを、こう……突くわけです……、ここまで来ると、軽い心理戦ですね」
     「なんならビーチにココナッツを並べてみても良い、見せ付けるわけです」
     「そして一言、一個300メルでいかがですか?」

     「大体いらっしゃるお客様は、多分心のなかで、こんな風に考えるわけです」
     「(このココナッツをたたく暇があったら……)ココナッツをMOBに見立てて、これ一振りで経験値○○、ってね」
     「おや?お客様が参りました、これで失礼」


しかし、このあたり、中々面白いもので、おおよそ「フロリナに来る理由」が
「クエストを行うため」であるにもかかわらず、その過程を省略する志向の方もいる。

それに対して、あくまで「ココナッツを集める」ことも「フロリナに来る理由」と捉え、購入を固辞される方もいる。

理由も色々である。

まあ、買い手がつかなければ、オンラインゲーム的要素は薄れるが店売りも止むを得ない

それでも、本冒険にとっては、かなりのメルが稼げる。(145*65=9425メル)
店売りは私の軟弱な頭と心に優しい。損益分岐点もマーケティングも要らない。

なにかと用入りな旅に備え、ここで資金調達を。



そうそう、海岸ゴミ清掃も忘れずに。

それにしてもネームプレートが影の影響を受けるとは……。
知っているようで、まだまだ、知らないことばかりである。



次回へ続く


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